水俣修習の引率

先日、修習生を引率して水俣に行ってきました。

昔は熊本で修習した人は必ず水俣病の歴史を勉強するために水俣に見学に行っていました。私が十数年前に修習したときも水俣に連れて行っていただきました。ところが、数年前に修習生の数が増え、班を4つに分けて修習するようになってからは、希望者のみを連れて行く扱いになっていました。しかしながら、水俣病の歴史は熊本の司法の歴史でもあります。それを熊本で修習しながら勉強しないのはおかしいということで、本年度から各班ごとに、弁護修習のときに必ず水俣に見学にいくという扱いになりました。

熊本の全ての修習生に水俣を見学させることを復活するよう提案したのは、意外に思われるかもしれませんが、行政側・企業側で取り組んでおられる、自他共に認める保守系の先生です。その先生がおっしゃる理由はこうです。会社や官庁といった組織の法令遵守がしっかりしていれば、水俣病の被害拡大は防ぐことができた。企業や行政に入る者こそ水俣病の歴史をみてその教訓を学ぶことが大事であると。弁護士は立場にかかわらず、根っこにあるヒューマニズムは共有しているのですね。私自身もどちらかというと企業や行政とのつきあいが多いのですが、その先生の考え方には共感します。

今回は、私の事務所で修習する修習生と同じ班のみんなを三角弁護士とともに引率して水俣に行ってきました。 

まずは水俣協立病院で水俣病の歴史について勉強しました。水俣協立病院は水俣病の診断・治療のために設立され、水俣病の問題に取り組んできた病院です。座学後、病院の屋上からチッソの工場を俯瞰。

ここに来たのは私自身が修習生だったとき以来です。 

百間排水溝。ここから有機水銀を含む廃液が排出されました。        

説明者の話に熱心に聞き入る修習生たち。      

水俣病巡礼八十八カ所の一番礼所というのがありました。ここが水俣病のはじまりの場所ということなのでしょう。   

お昼は福田農場さんで名物のパエリアをいただきました。福田農場さんにはほんとうに久しぶりに来ました。 おいしかった!     

福田農場さんの桜。 天気もよく、桜もいい具合で、絶好の見学日和でした。  

福田農場から見下ろした水俣の海。海の青さと桜のピンクとのコントラストがすばらしく、本当にきれいでした。 こんなところに有毒な廃液を流しただなんて。     

八幡(はちまん)プールと呼ばれるところ。水俣川の河口に位置します。一時期この付近に排水口が設けられたことがありました。向こう側の小高いところは、すべてヘドロを埋めて土をかぶせたところだそうです。 説明者の話に修習生が熱心に聞き入っています。  

慰霊碑。           

慰霊碑に手を合わせる修習生たち。

水俣病はまだ解決していません。線引きの問題、潜在的被害者の問題など難しい問題が残っています。また、根強い偏見や無理解も残っています。さらには、水俣病を招いてしまうような企業や行政の姿勢が何ら改まっていないことは福島第一原発の問題からもうかがうことができます。水俣病から得られる教訓はたくさんあります。 

今回も私がバスを運転しました。それが安上がりなので。 水俣では細い路地を入り込んだところを見学し、狭いT字路を使って方向転換ということも多く、腕の見せ所でした。方向転換のたびに「キャー♡」とか「すごーい♡」と修習生が喜んでくれて、悪い気はしませんでした。(笑)

熊本市内に帰ってきました。年度末だったので、熊本市内はすごい渋滞でした。

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