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コラム 司法制度・裁判所の最近のブログ記事

裁判員裁判実務協議会

「裁判員裁判実務協議会」というのがあります。裁判官、弁護士、検察官が集まって個別の裁判員裁判を題材に議論をおこない、よりスムーズな裁判員裁判の運用を目指すというものです。裁判員裁判実施庁ごとに開催されているようであり、熊本地方裁判所でも定期的に開かれています。

かように裁判員裁判実務協議会の理念は立派なものです。しかしながら実態は、「当地裁もちゃんとやってますよ」ということを最高裁に報告するためのアリバイ作りに堕してしてしまっているように感じられます。
 
昨日、久しぶりにこの協議会に参加してまいりました。参加するだけ時間の無駄なのでしばらく参加していなかったのですが、本年度から役職に復帰した関係でやむなく参加した次第です。

会議が始まると、司会を務める裁判官がぼそぼそとなにやら話しながら進行をおこないます。何を言っているのかよくわかりませんし、進行も上手とはいえません。このような司会で裁判員裁判の評議をしておられるとすれば、充実した評議は望めないでしょう。弁護士だの検察官だのの話が分かりにくいだの聞こえないだのという前に、我が身を振り返っていただいたほうがよさそうです。
 
また、発表をおこなう左陪席裁判官は、「裁判所は~と思う」「裁判所は~と考えた」などと、一人称が「裁判所」になってしまっていました。裁判所という権力の鎧を身につけて自分を守らないと怖くてたまらないといった様子です。こっちは丸腰であんたらと戦争やってるんだ。
 
民間だったらこんなダラダラとした金と時間の無駄みたいな会議はやらないでしょう。税金で給料をもらっているあなたがたと違ってこちらは夕方の貴重な時間をつぶし交通費をかけて手弁当で裁判所まで出てきているのです。我々にとっても得るものがあるような会議をやってほしいと思いました。

裁判員裁判に関しては裁判所による「大本営発表」がまかりとおっていますが、この協議会も大本営へ上奏するための茶番のような印象を受けます。

第60回 中部弁護士会連合会定期大会

昨日は中部弁護士会連合会の定期大会に九州弁護士会連合会からの来賓として出席しました。充実した大会でした。
 
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<シンポジウム>
午前中は、元裁判官で著書も多数ある木谷明弁護士の「冤罪はなぜ起きるのか」と題する基調講演からはじまりました。続いて、基調講演をふまえてシンポジウムがおこなわれました。パネリストは木谷弁護士のほか、心理学者の浜田寿美男先生、大阪弁護士会の秋田真志先生の三名。犯罪に無関係の人が虚偽の自白をなぜおこなうのか、それを防ぐにはどうしたらいいのかということが議論されました。
 
ところで、昨日の日記に登場した毎日新聞でも報じられているとおり、このところコンピューターウィルスを用いて他人のパソコンを勝手に遠隔操作し、犯罪を予告するメールを送るという事件が続きました。その結果、犯罪をおこなっていないにもかかわらずパソコンの所有者が威力業務妨害で逮捕されることが続きました。この冤罪()被害者のなかには、既に保護観察処分を受けた少年もいますし、あるいは公訴を提起された人もいました。驚くことに、これらの冤罪被害者のなかには、犯罪をおこなっていないにもかかわらず、「私が犯罪をおこなった」旨の自白調書の作成に応じた人が複数いるということです。
「冤罪」という言葉の定義の問題がありますが、一般の方にもわかりやすいよう、ここではこういった事例も「冤罪」と表現することにしました。
 
私たち弁護士は「虚偽の自白調書の作成を防ぎ冤罪を防ぐためには、取調の全面可視化や証拠の全面開示を制度化することが大事だ」と訴えてきました。ところが、なかなかピンときていただけないことが多かったのが実情です。冤罪に関していうと、「やっていない人」が冤罪被害に遭うわけで、したがって誰もが冤罪被害者になりうるわけですが、それを実感をもって理解していただくのがなかなか難しかったと感じています。今回のコンピュータウィルスによるパソコンの遠隔操作問題、そして虚偽の自白調書作成の事実は、誰もが冤罪被害者になりうることを改めて示す形になりました。
 
シンポジウムでは、犯罪に無関係の人が虚偽の自白をおこなうのを防ぎ冤罪を防ぐためには取調の全面可視化と証拠の全面開示が不可欠であると述べられました。それによって取調による真実解明が後退するという指摘が法務省側からなされることがありますが、既に試行されている一部可視化の結果を見ても、あるいは諸外国の例を見ても、そのような懸念は杞憂であるといえます。
 
このシンポジウムを通じて、あらためて、無辜の市民が逮捕され、裁判にかけられ、処罰されることがないよう、取調の全面可視化および証拠の全面開示を実現する必要を感じました。このコラムをご覧の皆様も、「自分も冤罪被害者になりうるのだ」という実感・リアリティをもって、取調の全面可視化および証拠の全面開示に向けての取り組みを応援していただければと思います。
 
<総会・宣言・決議>
昼食を挟んで午後からは、弁連の意思決定機関としての総会が開催されました。そこでは、決算の承認等の手続がおこなわれたほか、秘密保全法制定に反対する決議が可決されました。
秘密保全法は相当に問題がある法律です。ここではどう問題があるかは割愛しますが、簡単に表現すると、これは「現代の治安維持法」であるということができます。秘密保全法問題についても関心をお持ちいただければと思います。日弁連が作成した秘密保全法に関するリーフレットもご参照ください。このリーフレット、イラストを絵本作家の五味太郎さんが描いておられます。
 
<60周年記念講演会>
総会ののち、60周年を記念して、公害訴訟に携わった弁護士の講演会がありました。自分たちが若いころにかかわった訴訟の報告を通じて、若い弁護士にエールを送るという趣旨の企画で、心を打たれるものでした。弁護士たるもの、いわゆる右とか左とかいうのに関係なく、あるいは企業側・行政側に立つのか市民の側に立つのかに関係なく、このような気概と熱意を持って仕事にあたらなければならないことをあらためて自覚させる内容でした。
 
 
 
プログラムをご覧いただければ分かるとおり、朝の9時30分から午後5時30分までの長時間にわたりましたが、内容がすばらしかったので時間の長さを感じませんでした。熱心に聴くあまり、会場の写真を撮るのを失念しておりました。
 
いい経験をすることができました。このような経験をさせてくれた九州弁護士会連合会や、九州弁護士会連合会に私を送り出してくれた熊本県弁護士会に感謝!
 
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高裁の期日

 最近、福岡高等裁判所に出かけることが増えました。
 
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今週も期日2件のために高裁に行ってきました。日帰りでしたが、持って行くべき書類が多かったのでスーツケースを転がしていきました。
 
 




 
 
 
 
 
 
 昨年度くらいからでしょうか、当事者が納得できるしっかりした和解案の提示や「スパッ」と切れるような判決が減っているというのが私の実感です。そのため、どちらかの当事者が諦めきれずに高等裁判所に事件が移行するのです。なかには、双方控訴という事件があったり、あるいは高裁で「振り出しに戻る」的に主張を整理し直されるケースもあります。これは一審裁判所の判決に問題があるからだと考えられます。
 
 このように、高裁まで行かなければ事件を解決できないことのしわ寄せは、裁判所利用者である市民の皆様に及ぶことになります。いいことではありません。
 
 弁護士の質については最近いろいろ言われていますが、裁判官についてはどうなのか、ということも考えてみていいように思います。


DSC04473.JPG福岡地裁/高裁名物のカメの甲羅干し。春と秋に見ることができます。
 

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