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コラム 2012年8月アーカイブ

副会長の職務について

本年は熊本県弁護士会の副会長職を拝命しております。よく弁護士仲間から、副会長は忙しいでしょう、と尋ねられます。「うん、忙しいよ」答えるのですが、どう忙しいのかについては弁護士の間でもあまり知られていないようです。副会長がどのような弁護士会務をしているか、差し障らない範囲でここに書いてみたいと思います。(今回は執行部の活動になじみの少ない弁護士に活動内容を知ってもらいたいという観点から書いています。したがって一般的でない用語も多く、弁護士向けの内容になっておりますが、ご容赦ください。)
 
 
会議が多い
執行部(熊本県弁護士会の場合、会長、副会長×3、首席主任、主任×3の8名で構成されます)のメンバーは多くの会議に出席しなければなりません。
 
<熊本県弁護士会関係の会議>
まず、執行部会。これは週に1回、原則として月曜日の16時30分からあります。だいたい2~3時間くらいかかります。弁護士会宛に送られてくる各種書類(日弁連、九弁連、他の単位会からくるもの、官公庁からくるもの、当会の各委員会からくるものが中心ですが、そのほかにもいろいろなところから弁護士会にあてて書類がきます。)の確認や決済、あるいは処理方針の決定をおこないます。執行部の活動の中心になる会議です。
 
それから、常議員会。これは月に1回開催され、執行部全員と常議員の先生方が出席します。常議員会がどういうところなのかは、執行部がどういうところであるかという以上に知られていないかもしれません。執行部が何かおこなう場合に、常議員会の決済を仰がなければならない事項というのがあります。必要的に常議員会の決済を要求される事項は、会則に明記されていますが、それ以外の事項でも、重要な事項については任意に常議員会の判断を仰ぐことがあります。そういった事項について、執行部が決済を得るために開催される会議が常議員会です。
 
それから担当委員会。副会長、首席主任、主任はそれぞれ担当委員会を4~5つ持っています。その委員会の会議にも顔を出さなければなりません。各委員会はおおむね月に1回ほどのペースで会議を持ちます。したがって、各副会長、首席主任、主任は、週に1回以上、委員会に顔を出すことになります。そして、委員会に諮問した事項について補足をしたり、あるいは委員会の問題意識を執行部に持ち帰ったりと、委員会と執行部との橋渡しをします。
 
 
<九州弁護士会連合会関係の会議>
九州の8つの弁護士会によって構成される九州弁護士会連合会(九弁連)の常務理事・理事は、理事会に出席します。熊本の場合、熊本県弁護士会長が九弁連の常務理事を務めます。また、熊本県弁護士会の3名の副会長のうち2名が九弁連の理事を務めます。この理事会は、月に1回、主に福岡で開催されます。
そのほか、九弁連の常務理事・理事は、担当の委員会を持っていますが、その会議にも顔を出します。
さらに、九弁連の関係では、理事会の合宿や九弁連大会、他のブロックの弁連大会への来賓出席等の業務があります。
 
<その他の弁護士会関係の会議>
副会長、首席主任、主任は担当分野を割り当てられていますが、その担当分野について日弁連の会議があるときには東京まで出かけていって出席することになります。
なお、会長は日弁連の理事会等で頻繁に東京に行っておられます。傍からみていると、参勤交代のようです。
 
<対外的な会議等>
会長または副会長は、弁護士会を代表して対外的な会議や宴席に出席することがあります。そのような機会は。副会長の場合おおむね月に1回くらいでしょうか。
 
 
 
会議以外の業務
会議以外にも様々な業務があります。
 
 
<担当する分野についての仕事>
副会長・首席主任・主任はそれぞれ担当分野をもっています。私もいくつかの担当分野をもっていますが、もっとも骨の折れる担当は、弁護士会の財務・予算です。
例年5月に開催される予決算の総会に間に合うように予算を組まなければなりませんので、私は本年4月1日の副会長就任前、すなわち本年3月9日の総会で副会長に指名された直後から、予算を組むために動き始めました。弁護士会の会計状況を把握し、過去の財務担当副会長に指導を仰ぎ、各委員会の委員長と折衝するなどして、予算案を作り上げました。特に今年は消化率の悪い科目の予算額をバッサリ切り捨てて対外広報予算を大きくとるなど例年とは異なる組み方をしたので、予算組みにはかなりの時間を割くことになりました。予算が承認されたのちも、個別の会費支出について決済をおこなうことがあります。
 
<弁護士会の各種イベント>
修習開始式・修了式、公設事務所引継式、新任判検事歓迎会、会員親睦のイベント等、弁護士会がかかわるイベントはたくさんあります。そういったイベントには執行部メンバーは当然に参加することになります。
 
<常駐当番>
副会長3名および首席主任の計4名は、交代で毎週水曜日および金曜日の午後2時から午後5時まで弁護士会館に詰めることになっています。これを常駐当番といいます。常駐当番で弁護士会館に詰めているときは、執行部会にかけられる書類にあらかじめ目を通したり、23条照会の決済をしたりしています。また弁護士会宛に電話や来客があった場合の対応もおこないます。
 
<宴席への出席>
会長、副会長は多くの宴席への出席を求められます。なんだかんだで週に1回から2回は会務関係の宴席に顔を出しているのではないでしょうか。この会費は原則として自腹です。
 
 
 
こういった会務活動をこなしながらも、もちろん、自分の弁護士業もおこなわなければなりません。私は主任や首席主任として過去に執行部に入ったことがありましたが、そのとき見ていた副会長の仕事と、実際に副会長として仕事をするのとでは大違いで、副会長の職務の重さを実感しています。

常駐当番の窓から

今日は 、午前中に玉名出張をこなしたあと、お昼から「常駐当番」で弁護士会に詰めています。いましがた業務がひといきついたので、気分転換にコラムをしたためたところです。
 
「常駐当番」というのは、以前にも書きましたが、副会長および首席主任が交代で弁護士会に待機し、書類に目を通して決済をしたり、弁護士会を訪れた方や電話をされた方のご対応をしたりするというものです。
 
常駐当番で待機する弁護士会の部屋の窓からは、裁判所の駐車場が見えます。その端に、よく見ると「なんでこんなものが裁判所の敷地にあるの?」というものが存在します。お地蔵様です。
 
DSC06743.JPG
外からもお参りできるようにということでしょうか、門(普段は締め切り)はお地蔵様より手前に設置されています。しかし、まぎれもなく裁判所の敷地内です。
 
 
 
 




 
 
 
お地蔵様がここにある理由については弁護士の間でも、歴史的な経緯をいう人、怪談話のような話をする人など、いろいろな説がささやかれています。事実認定をその職務内容のひとつとする弁護士ですが、このお地蔵様の由来については確定的な認定には至っていません。
 
もう一つ不思議なのは、政教分離原則との関係で裁判所がどのように考えているのかということ。別に政教分離原則を厳格に適用してお地蔵様を撤去すべきなどとは私は思いませんが、おかたい裁判所がどういう理屈で国有地にこのようなものを残しているのか少しばかり気になります。大阪地蔵判決(最高裁第一小法廷平成4年11月16日判決)の射程が及ぶというところでしょうか。
 
裁判所でお地蔵様の顔を拝見できるのは、気持ちがほっこり(?)していいものです。

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